ベスト8が決まる

 大会もベスト8が決まり、憧れの甲子園をかけた大詰めの戦いになります。

私が19日の試合から感じたことがありましたので載せたいと思います。まず松商対長野の初回松商攻撃での事です。1番の鈴木君がセカンド正面へ強いゴロを打ち間一髪アウトになった場面です。カメラには全力疾走で駆け抜ける彼の姿が映し出されました。野球は確率のスポーツで1試合に打てる安打はせいぜい1桁で、ほとんどがゴロやフライや三振でアウトになります。ヒット数より内野ゴロでアウトになる数の方が多いはずです。その内野ゴロを松商鈴木君のように常に全力で駆け抜けられたら守っている野手はどうでしょう? 逆に、全力で走らない打者なら野手は余裕を持って処理をする事ができますよね。 

 日大対小諸商業は延長タイブレークを制した小諸商業がサヨナラ勝ち。どちらに転んでもおかしくない好試合でした。延長11回の小諸商業の攻撃は先頭がセンター前、西澤監督さんが選手と相談して点を取れる確率の高い攻撃で行こうと託すと初球をスクイズで1点。代打が倒れツーアウト1,2塁での内藤主将の場面でした。一塁が空いていた日大は申告敬遠のため主審に。その指示を受けた内藤主将はすぐには一塁に向かわず、次打者古越君の方に歩んでいく姿が画面から消えました。「頼む!」 チームとしての絆を感じさせる光景でした。主将からの思いを託された彼は青木投手の変化球を見事に捉え、昨年の自分を超えて見せたのです。彼は昨年最終打者になっていたそうです。

 勝ち抜いていくために必要なことは、技術・体力・戦略ももちろんですが、全力で望む姿勢、チームとして仲間を信じる仲間に託す気持ちの大切さではないかと感じました。自分がノーヒットでも勝てる試合はあります。自分がカバーをした事で失点しなかった試合もあります。強いチームから学ぶ事はたくさんあります。私は監督時代「練習試合は点数の差ではなく、相手から学んだ事が多い方が勝ちだ」と選手に言っていたものでした。つくづく高校野球って良いものだと思いました。  くり

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