当たり前にあったものが、あたりまえでなくなることほど辛いことはありません。日常生活、家庭生活を考えると昨日まであった当たり前がなくなる寂しさは想像を絶するものです。小さな頃テレビでみた甲子園を夢見て始めた野球の終わりが無くなってしまった2020年、全国の球児たちの気持ちを思うと不便でなりません。周囲がどのような声をかけようと、本人にしかわからない辛さがあります。コロナで春がなくなり、夏のためにした我慢も水の泡に消えてしまいました。そんな時長野県独自の大会が開催される事が決まり、ほんの少しですが、3年生の気持ちに寄り添う事ができた気がします。
最後の夏本番、上田県営で軽井沢高校とのゲーム。春の大会がなく練習試合も3日しか出来ずに望んだ選手たち。緊張感が半端なく青ざめた顔が並ぶベンチ内。試合が始まってもなかなか前に出られない。案の定、自らのミスで先取点を奪われる嫌な展開。そこから勇気を持った選手たちが、軽井沢の好投手のスピードボールに負けじと振り切り走り回った見事なゲーム。選手たちの勇気に拍手。
雨が続き気持ちの調整が難しかった次戦は、強豪小諸商業。当日の朝まで降り続く雨は開始時間を変更させた。気持ちを切らさないか心配であったが、そんなことは杞憂に終わる。頼もしくなった選手たちは臆することなく立ち向かい、先制点を奪った。中盤は猛攻に逢うが最後まで諦めなかった。雨が強くなった8回、みんなで繋ぎつくった満塁のチャンスを主将の田村に託したところで中断。そのまま雨は止まずに降雨コールドゲームとなって終わった。
大会本部は再開のために努力してくれた。本来は30分のところを、1時間以上も待ってくれた。この大会が開催されたことも、非常に多くの方々の努力や協力があった事を忘れてはならない。選手も含めて、皆んなに感謝する夏であった。栗原
Leave a Reply